滞納管理費に加えて遅延損害金も請求できますか

管理費を滞納している組合員に対し、滞納した管理費に加えて、遅延損害金を請求することもできます。

遅延損害金を請求できるのは、管理費を支払うべき日の翌日からです(民法412条1項)。

管理規約に定めがある場合とない場合に分けて説明します。

条文の番号は特に断りのない限り区分所有法のもの、「規約」は標準管理規約単棟型を意味します。

管理規約に定めがない場合

管理費を滞納した場合の遅延損害金について、管理規約に定めがない場合、年3%の遅延損害金を請求できます(民法404条1項・2項、民法419条1項本文)。

民法の改正により、遅延損害金が年5%から年3%に変更され、3年毎に変動することになりました(民法404条3項~5項)。

管理規約に定めがあれば民法が定める年3%を超える遅延損害金を請求することもできます(民法419条1項但書)。

改正後の民法は、令和2年4月1日から施行されています。

管理規約に定めがある場合

管理費を滞納した場合の遅延損害金について、管理規約に定める場合、年3%を超える遅延損害金を定めることができ、規約に定めた利率による遅延損害金を請求できます(民法419条1項但書)。

標準管理規約も、管理費などの滞納の際の遅延損害金について、利息制限法や消費者契約法などにおける遅延損害金利率よりも高く設定することも考えられる、としています(規約60条2項、規約60条関係コメント④)。

例えば、税金を滞納した場合の遅延損害金などを参考に14.6%とすることが考えられます。

民法で定められた法定利率がこれまでの5%から3%に変更され、3年毎に見直されることから、遅延損害金の利率を明確にするためにも、今後は管理規約において遅延損害金の利率を定めことがより重要になります。

マンションの買主に対する請求

管理費を滞納していた組合員がマンションを売却した場合、マンションの買主に対し、売主が滞納していた管理費の遅延損害金の支払いを認めた裁判例があります(東京地裁平成17年3月29日)。

マンションの買主に対する滞納管理費の請求については、こちらのページで説明します。

▶東京地判平成17年3月29日

…区分所有法第8条は、「前条第1項に規定する債権」、すなわち第7条第1項所定の「規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権」につき、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる旨定めており、かつ、本件規約…において組合員が管理費等の支払を怠った場合にその未払金額に対して年利14パーセントの割合による遅延損害金の支払を請求することができる旨規定されていること…から、かかる債権には、各区分所有者が負担すべき管理費等はもちろんその不履行に対する遅延損害金も当然に含まれる…。